【税務Q&A】相続したマイホームを売却した場合、3,000万円控除は受けられる?

Last Updated on 2022年6月6日

譲渡所得

父と母は高齢になったことに伴い、利便性の高い街へ引っ越すことにし、新たに自宅を購入しました。
元々住んでいた自宅については売却活動を行っていましたが、なかなか売却ができず、そんな中、父が急逝してしまいました。
自宅は母が相続し、この度ようやく売却できたのですが、マイホームの売却特例(3,000万円控除)は受けられますか?

元々住んでいた自宅がお父様の名義であった場合、お母様は所有者として自宅に住んだことがないため、3,000万円控除は受けられません。

解説

居住用財産の譲渡所得の特別控除(マイホーム売却時の3,000万円控除)を適用するには、所有者として、その家屋を居住の用に供していることが必要だとされています。

したがって、お母様が過去にそのご自宅に住んでいたとしても、居住していた際に建物の所有者ではなかった場合には、譲渡所得の申告に際して、マイホームの売却特例を適用することはできません。

なお、お父様が生前にご自宅を売却できた場合にマイホームの売却特例の条件を満たしていたのであれば、相続人はその適用を受ける地位・資格を承継するのでは?という主張があるかもしれませんが、『被相続人が所有者として居住していた事実を相続人自身が所有者として居住したものと同視する』旨の規定が置かれていない以上、当特例を適用する余地はないものと思われます。

(参考) 国税庁HP 『相続人が譲渡する被相続人の居住用財産
    高知地方裁判所 平成12年12月26日判決