【税務Q&A】相続人ではない場合、空き家の譲渡所得の特例は使えない?

遺言

私はおばの相続人ではないのですが、遺言でおばの財産を全てもらいました。
おばが住んでいた自宅については売却しようと思うのですが、空き家の譲渡所得の特例(3,000万円の特別控除)は使えるのでしょうか?

今回ご相談者様は包括受遺者になるため、その他の要件を満たしている場合には特例を使うことが可能です。

解説

空き家の譲渡所得の特例を適用できるのは、『相続又は遺贈による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人(包括受遺者を含む)』です。(措法第35条第3項)

すなわち、相続人でない方がこの空き家の譲渡所得の特例を適用するためには、『包括受遺者』であることが条件となっています。
包括受遺者とは、遺贈の対象となる財産が特定されておらず、財産・債務を包括的に引き継ぐ方になります。
したがって、今回全ての財産をもらっているのであれば、『包括受遺者』に該当することになります。

もし、『不動産を姪の花子に遺贈する』などのように、遺言で遺贈する財産が特定されてしまっている場合には『特定遺贈』に該当するため、空き家の譲渡所得の特例を使うことはできません。

相続人ではなく、遺言で財産をもらう場合には、まず『包括遺贈』なのか『特定遺贈』なのかをしっかり確認して下さいね。

なお、3,000万円控除のための要件は他にも色々ありますので、要件を満たしているかは事前に確認して下さい!

(参考) 国税庁HP 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例