【税務Q&A】空き家の譲渡所得の特例と取得費加算の特例は併用可能?

譲渡所得

亡くなった父が住んでいた自宅を売却したので、空き家の譲渡所得の特例を使って申告しようと思います。
相続税も納めているので、取得費加算の特例も使えますよね?

空き家の譲渡所得の特例と取得費加算の特例は併用できません。

解説

取得費加算の特例とは『相続または遺贈により取得した土地、建物、株式などの財産を、一定期間内に譲渡した場合に、支払った相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができる』という制度です。
相続税を納めている場合で、相続財産を『相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで』に譲渡している場合にこの制度を使うことができます。

しかし、空き家の譲渡所得の特例を使う場合には、この取得費加算の特例を使うことはできません!(措置法第35条第3項)

ただし、空き家の譲渡所得の特例を使う場合でも、売った不動産がたとえば居住用と店舗用から成る場合には、居住用部分について空き家の譲渡所得の特例を、店舗用部分については取得費加算の特例を使うことは可能です。(措置法通達35-8 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例等との関係